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日本人が海外で凶悪犯罪の被害者となった場合、日本国刑法を適用する「国外犯規定」。日本警察は、この適用を強化しようとしている。タイ、ミャンマー、フィリピンなどの国々で発生した日本人殺害事件がその一因となっている。警察OBとしては、大いに期待するところである。 しかし、この「国外犯規定」を形あるものにするのは実は大変なことである。なぜなら、事件が発生した国の捜査当局が捜査するという「属地主義」が大原則であるからだ。被疑者の身柄を日本警察が逮捕して、取調べを行うことは容易なことではない。私が大使館に勤務していた当時、日本人の国際指名手配被疑者を日本の逮捕状で逮捕して、日本に連れ帰り、取調べをしようとしたが、他の事件関与、米国の関与等によって、結果的に約5年を要したという苦い経験がある。これまで国際捜査の基本は、「外交ルートとICPOルートの2本」と言われていたが、今後は各国の警察当局間で直接情報交換しながら国境を越えた捜査が迅速に行われていくことが重要だ。外務省は「外交の一本化」などとこうした動きに異を唱えるべきではない。むしろ全面協力してほしい。国際テロに迅速に対応したり、海外に駐在する日本人保護のためにも必要なことである。
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