対馬の問題 
2008.11.22 Sat 15:57
平成20年11月22日
〜既に行っているはずでは?〜
長崎県の対馬が韓国企業に買い占められているとして、産経新聞が警鐘を鳴らした。
早速、国会議員の方々が日本の安全保障上の観点から現地を視察し、諸対策を講じようとしている。結構なことだ。
ところで、この記事が連載される前から対馬の現状は色々な形で報じられていたので、当然小職は、水面下で日本警察の警備・公安部門が緻密な捜査を行っているものと今でも信じている。名義貸しをする日本人や企業は誰か、資金の流れはどうか、背後関係はどうなっているのか等々、各種の情報を収集して、少しでも違法性が認められるようであれば、事件化して国家の安全を維持することが、警備・公安の職務であるからだ。
断片情報が報じられた段階で、或いはそれ以前から、黙々とそうした捜査を行い、広く報じられる段階では、ある程度の実態が解明されていなければならない。
今回は果たしてどうだったのか、知る由もないが、もし、今回の報道まで警察当局が全く手を打っていなかったのであれば、大いに反省し、全力を挙げて実態解明を急がなければならない。ここはひとつその筋の専門家の腕の見せ所であろう。
諸外国では、外国人が土地を購入できない国が多い。先進国に買い占められては、国の根幹にかかわるからだ。日本はそうした危機感が極めて薄い。目先のマネーゲームに走る最近の日本の風潮が一部影響しているようだが、取り返しのつかないような状態になる前に迅速で効果的な措置を講じなければならない。今回の対馬の問題は、警察当局が主導していくべき問題だと考えているのだが、果たしてどのような結果となるのか。この種情報の収集・分析を専門とする警備・公安の力量が問われている。
当たり前のことなのに 
2008.10.29 Wed 15:55
平成20年10月29日
〜日本の将来・推して知るべし〜
○財務大臣の記者会見場に日の丸を掲示していた事に対して、「一方的ではないか」「国民の中には違和感を持つ人がいる」と質問し抗議した記者がいる。
○天皇陛下ご臨席の認証式においてただ一人着席したままの記者がいる。
○警察官の子供だと言うことで長時間立たせた先生がいる。
○小学校の放送部員が「世界のマーチ」をテーマに放送した際、日の丸行進曲を流したところ、放送中に「軍国主義に連なるものは許さない」とレコードをたたき割った先生がいる。
○校内試験の際に採点には影響しないからと、政治的内容を提示し「両親の考えを聞いて記載するように」と申し向けた先生がいる。
○入学式や卒業式の際に、「日の丸の掲示」や「君が代斉唱」を否定するよう生徒や先生に強要する先生がいる。
○児童に対し人形を用いて性教育を実施する先生がいる。
○体育の授業のための着替えを男女同じ教室でするよう指導する先生がいる。
○教育熱心な校長先生に団結してその方針に反対し、死に至らしめた先生の集団がある。

以上、列記した内容は、日本国内であった事実である。
これまで仕事で多くの国を訪問したが、その国の国旗、国歌に敬意を払わない国民を見たことがない。心ある多くの日本人は、「日の丸」「君が代」「桜」を愛する。そうでない輩を爾来「国賊」と言う。
最近、そうでない輩が増えているような気がするのは小職だけだろうか。

本気の外交交渉を 
2008.10.28 Tue 14:43
平成20年10月28日
〜本気で臨んでいるのかな?外交交渉〜
本年8月、アフガニスタンでNPO活動をしていた伊藤さんが殺害され、その後、10月20日にはNGO活動をしていた英国人女性が、10月26日には国際物流会社DHLの英国人、南アフリカ人が連続して殺害された。アフガンでは最早特に驚くほどの事件ではないのか、日本での報道振りは小さかった。その後、伊藤さんを殺害した主犯に関する報道はないが、日本外務省や現地の日本大使館は自国民が殺害された事件の捜査を現地当局にどのように強く依頼しているのだろうか。
何故こんなことを書くのかというと、昨年の9月にミャンマーで殺害されたカメラマン長井健司さんのその後の捜査に関する進捗状況が外務省から聞こえてこないからである。長井さんは小職の友人であったことから、小職としてはせめて事件の背景や発砲した犯人の氏名(第66軽歩兵師団所属の兵士までは突き止めている)だけでも特定できないものかと今でも細々と情報収集を続けている。
小職がカンボジアPKOにUNTACの文民警察官として従事した際には、国連ボランティアの中田さんと岡山県警の高田さんが殺害されたが、犯人は未だ検挙されていない。イラクで日本外務省の奥さん、井上さんを殺害した犯人も不明のままだ。
要するに、日本人が紛争地で殺害された場合、まず犯人の特定すらできないまま忘れ去られていくということなのだが、問題は日本外務省がどのような手法で事件が発生した各国に事件解決のために粘り強く働きかけているのかということだ。
米英仏独等の各国のそれは、実にアグレッシブだ。時には恫喝すら平気で行うし、大量の捜査員を送り込み独自に捜査を行ったりする。そうしたことを日本も全て真似しろとは言わないが、殆ど何もしていないのではないかと思われるような印象を日本国民に抱かれている実情を外務省職員はどう思っているのだろうか。イラクで身内がテロ組織によって殺害された事件ですら事件解決の糸口すら見えてこないのだから、他の事件については推して知るべしというところか。
外交というと一見華やかに見えるが、実際はドロドロとした狐と狸の騙しあいである。最近では、IT技術が発達し、事件現場の様子が色々な形で録画・録音され、それがネットを通じて瞬く間に伝えられる。そうした材料を武器に被害を受けた国の外交官は時機を逸することなくアグレッシブに交渉をするのである。そうした志を抱く日本人外交官はいないのだろうか。犯人が組織的な「アルカイダ」「タリバン」等のテロリストとなればなおさらだろう。外務省ではとてもできないというのなら、外交の一本化などと省益にのみ走ることなく、日本警察に全権委任してはどうか。もっともテロと本気で戦おうと思っているのならの話だが。

年間行事の盆踊りも結構だが 
2008.09.21 Sun 14:19
平成20年9月21日
〜日本人外交官の呑気度〜
9月19日付の「産経新聞」に岡本行夫氏が寄稿されたアフガンから逃げるなという論文が大きく掲載された。小職も全く同じ見解である。アフガンは今やテロ戦争の主戦場であり、隣国パキスタンがこれに複雑に関係していることはテロ情勢に関係する人の間では常識だ。
9月20日夜、そのパキスタンの首都イスラマバードにある米系ホテル「マリオットホテル」で自爆テロが発生し、少なくとも50人以上が死亡したと報じられた。小職もこのホテルには何度も宿泊した。アフガンへ空路で入る際、どうしてもイスラマバードに宿泊しなければならないためだ。100米ドル以上するホテルだけに中々立派なホテルだ。道路に面した正面出入口ゲート付近には複数の警備員が配置され、9.11以降、特に厳重な警備が実施されていた。報道によれば、1トン以上と見られる爆弾を積んだ大型トラックが、警備員の制止を振り切って突入し、自爆した。パキスタン史上、最も大きいテロとも報じられている。ホテル敷地内に駐車していた車両の破壊されている程度、建物に爆発後燃え移っている様子等が写されている現場写真からも爆発の威力が大きいことが推測される。幸い、日本人の被害はないとの情報だ。
報道の中で気になったことがある。事件発生の夜、在イスラマバード日本国大使館では、盆踊りが催されていたという。何とも呑気な話ではないか。隣国の在アフガニスタン日本国大使館ならさすがにそんな呑気な行事は開催しないだろう。外務省が日々発出する海外安全情報を見ていると、アフガンの日本大使館は、自爆テロが敢行される可能性が高いとの比較的具体的な情報を頻繁に発出している。これに比較するとイスラマバードの日本大使館はどうだろう。テロ情報の収集・分析に全力を挙げているのだろうかと言いたくなる。「アルカイダ」をはじめとするイスラム過激派は、日本を米英に次ぐターゲットとしている。ましてやアフガンで日本人NGOがターゲットにされ殺害されたばかりだ。盆踊りが開催されているイスラマバードの日本大使館に自爆テロの大型トラックがその機会を狙って突入していたら、多くの在留邦人が死傷するのはもちろん、一体この時期に何をしていたのかとの批判を浴びるはずだ。
具体的なテロ情報をあらゆる角度から入手することは中々困難な作業ではあるが、果たして日本人外交官が必死になってそうした活動を日々行っているのかどうか、この時期の在イスラマバード日本国大使館での盆踊り開催が事実なら、疑問に思わざるを得ない。
それとも、今回の自爆テロ情報を事前に入手していたから、密かに自国民保護のため、在留邦人を日本大使館に集めて盆踊りを開催していたのか。
「自国民保護」 
2008.09.10 Wed 15:37
平成20年9月10日
〜いつもと同じ手口のロシア〜
日本人が北京五輪に夢中になっている時、ロシアがグルジアに侵攻した。
「自国民保護」がロシアの言い分で、南オセチア自治州とアブハジア自治共和国の独立を承認した。今年の10大ニュースの上位に位置する大事件である。小職は海外出張中にこの事件をBBCで見た。
まず直観的に感じたことは「ロシアの手口は今も昔も変わらないな」ということである。
旧ソ連時代、何回同じ手口で他国に武力侵攻して自国の支配下に置き、実質支配したことか。気の毒なのは、グルジアと独立を承認された自治州、自治共和国の市民だ。自分たちの生活が本当に良くなるのか悪くなるのか、平和な日々が送れるのかどうか等々、心配なことだろう。侵攻したロシア軍が残虐な行為を行ったとの情報が伝えられている。こうした情報が本当であれば(旧ソ連の歴史を少しでも研究している人なら、間違いなくやっていると確信するのではないか)、この手口も昔と何も変わっていない。
ようやく最近になって、日本の一部の新聞、テレビ等が「何故このような重要な事件に対して日本政府として意見を主張しないのか」と報じ始めた。当然だ。日本固有の領土である北方領土もこうして盗られたまま、今に至っている。ロシアという国が強くなればなるほど、この国はこうしたことを繰り返すことだろう。そういうお国柄であるということだけは日本人は知っておくべきだ。
ところで、ロシアが今回の言い分で主張した「自国民保護」、聞こえの良い言葉だが、米英をはじめとする強国はこれを良く使って他国へ兵を送る。それが良い悪いかはケースバイケースで色々な議論があり、識者の判断に任せたい。
小職がふと思ったことは、日本は「自国民保護」を大義名分としてどれだけのことを今できるのだろうかということである。湾岸戦争の際のクウェート、カンボジアPKOでの国連ボランティア、文民警察官殺害、ペルーの日本大使公邸占拠事件、イラク戦争開始後の日本人外交官、日本人カメラマン等の殺害事件等々は記憶に新しい。
その時日本はどのようにして「自国民保護」をしたのか。答えはみなさんご存じのとおりである。日本の外交官などそんな時はほとんど役に立たなかった。迅速に「自国民保護」ができないような国は、世界では笑い者だ。表では笑わないが、裏では笑っている。憲法、法律等の改正が必要というなら、そうすればよい。「自国民保護」は多くの国が単純に理解できる大義名分だから。
海外での安全対策の難しさ 
2008.08.28 Thu 15:59
平成20年8月28日
〜基本的な海外での安全対策を官民で〜
アフガニスタン東部のジャララバード近郊で、日本のNGO(非政府組織)「ペシャワール会」ボランティアの伊藤和也さんが殺害された。大変残念な結果で言葉を失う。
小職は国際協力機構(JICA)がアフガン復興支援のために首都カブールに事務所を開設する時期から同国で活動する日本人の安全諸対策に関わった。9.11米同時多発テロ以降、米軍が空爆を開始し、タリバンを駆逐した直後だ。
タリバン政権が駆逐され、当時、多くの国民には安堵の色が窺え、行く先々での笑顔が印象的だった。しかし、一時的に安定した治安はイラク戦争が開始された頃から変化を見せ始め、昨年あたりからは著しく悪化した。タリバン志願兵がパキスタンをはじめとする他国から越境し、兵力は増強した。芥子栽培は衰えることなく彼らの資金源となった。
タリバンは米英軍、国際治安部隊等をターゲットとしていたが、全ての外国人関係者へとそれは広がっていった。攻撃の手口・規模もイラクのそれと同じようになった。小職ら専門家の間では、もはやイラクの治安情勢と何ら変わらないレベルに達しているとの意見が大勢を占めた。それでもアフガン復興支援は継続すべきであるとの意見で一致した。
ならば、どのようにして自分の身を守るのかということになる。具体的な安全対策措置を講じなければならない。
テロ・ゲリラ情報の収集・分析、一般犯罪情報の収集・分析、武装警備要員の雇用と運用、移動時の武装警備実施、通信機器の配備と報告・連絡、専門家の定期的な巡回と教養・指導、事務所、拠点、自宅等の警備と安全確認等々、紛争地における基本的な安全対策の一例である。伊藤さんが所属していた「ペシャワール会」は現地での豊富な活動実績を有する。小職が同国に入った際も同会の活動は高く評価されていたが、同会の中村哲さんでさえ、今回の事件に関し現地治安情勢に関する認識が甘かったとインタビューに答えられていた。
こうした安全対策には一定の資金が必要だ。決して安価ではない。こりのため殆どのNGOが分かってはいるが実行できないでいるのが実情だろう。日本大使館や国際協力機構は、国家予算で一定のレベルを常に維持しているが、民間ではそうはいかない。約150人の日本人がアフガンで色々な形で復興支援に従事しているという。日本政府は引き続き今回の悲しみを乗り越えて復興支援を実施していくという。そうであるならば、政府が主導した安全対策措置組織を早急に組織して、世界各地で活躍する日本人の安全確保に完璧は無理としても、まずは最低限レベルの安全対策を提供してはどうか。まずは、50人程度の専門家で組織すれば、十分稼働できる。アフガンに止まらず、いずれイラク、スーダン等にも日本人が入っていくことは間違いない。
小職はカンボジアPKOに参加して以降、ずっとこの考えを抱き続けている。政府がやらないので、現在も「民」として諦めることなく実現すべく取り組んでいる。伊藤さんの死を無駄にしないためにも。
海外の北京五輪報道例 
2008.08.27 Wed 16:16
平成20年8月27日
〜海外で見た北京五輪〜
仕事の都合で北京五輪を海外(東南アジア)で見ることとなった。海外駐在・出張経験が比較的多いのだが、初めての経験であった。スポーツ観戦は嫌いではないし、4年に1度の五輪だから、当然厳しい練習を続けてきた日本選手を応援したくなる。
現地のテレビでも北京五輪は大きく取り上げられて報じられていた。しかし、日本の五輪報道と比較すると、極めてシンプルである。各競技の模様が冷静に実況され、解説者も淡々と解説する。スポーツに無関係なタレント等は一切出てこない。北島選手の金メダル(世界新)にも「ずば抜けた泳法テクニックを持っている」と称賛していた。
小職はこうした報道に心地よさを感じずにはいられなかった。スポーツ報道とはこういうもので十分だ。スポーツの歴史、ルール、厳しさ等など全く知らないとまでは言わないが、およそ普段は無関係なタレント等が興奮絶叫を繰り返し、選手の控え室やプライベートにまで接近してカメラ撮影して報道する必要がどこにあるのだろう。
海外のテレビで淡々と報じられた日本選手の活躍は十分見ることができたし、感動することもできた。作家の渡辺淳一さんが週刊新潮(8月28日号)の「あとの祭り」に次のように書かれている。
「このところ、テレビのスイッチをひねると、かならずスポーツの実況か、その結果の話題ばかり。北京オリンピックの最中だから、といわれたらそのとおりだが、いささかうんざり、というのが正直な感想である。」
日本ではいつ頃から今のような五輪報道スタイルになったのか覚えていないが、今回、海外のテレビで見たような報道を好む日本人も決して少なくないのではと思うのだが。
大使館のセキュリティ 
2008.07.17 Thu 16:08
平成20年7月17日
〜大使館勤務の難しさと面白さ〜
在ロシア日本国大使館に勤務する警備担当責任者(警備対策官)が現地採用の女性職員にセクハラをして訴えられたが、その事実はなかったとの記事が報じられた。日本外務省が調査をして正式に公表したのだから間違いはないのだろう。警備担当責任者は、日本の警察庁から出向していたという。小職も同じ身分で大使館に出向していたから事情は良く分かるつもりだ。
在瀋陽日本国総領事館の電信担当書記官が「国を売るわけにはいかない」として悩み続け自殺した事件があった。中国当局は当然何も関与していないと主張した。熾烈な情報争奪をする外交上では当然のことだ。
今回のロシアでの事案は、瀋陽のそれと同一の性格を有するものではないのかも知れないが、大使館勤務経験のある警察OBとしては少々残念に感じている。というのは、警備担当責任者は文字通り大使館、大使公邸等をはじめとする日本大使館全てのセキュリティを担当するプロとして勤務している。その国に緊急事態が発生した場合には、たとえ大使館職員およびその家族が出国、帰国しても、大使と警備担当責任者だけは、大使館に居残る。そんな業務だから、大使館で働く現地採用職員からも一目置かれるし、場合によっては恐れられることもある。
旧ソ連当時に日本大使館で勤務する現地採用職員は、殆どがKGBやGRUのスパイであると見られていた。当然のことだ。ロシアに変わってからもその本質は大して変わっていないはずである。今回の警備担当責任者がその辺を見極めるために敢行した調査活動がセクハラに置き換えられて反撃されたのであればそれでよい。次は別の手段で慎重に見極めればよいだけだ。
もし警備担当責任者にそんな目的も意識もなく、単純な言動が現地採用職員の不評を買い、セクハラをしたかのようなデマで攻撃されたのであれば、今一度ロシアの国家観と歴史観を肝に銘じるべきだ(そんな事実はなかったとのことだから、老婆心ながらの危惧である)。
かつて小職が大使館で勤務していた際、日本大使館主催のパーティで話しかけてきた米CIAの情報員は、小職の氏名は勿論、出向元の部署、担当業務まで知っていた。さらに、同人は他の警察からの出向者の部署まで小職に耳打ちしたこと等を今でも鮮明に記憶している。
ダメなものはダメ 
2008.06.21 Sat 17:10
平成20年6月21日
〜正義の味方のつもり?〜
環境保護団体「グリーンピース・ジャパン(GP)」のメンバーが窃盗並びに建造物侵入容疑で逮捕された。今回の逮捕について逮捕当日の6月20日にメディアからコメントを求められた。警察当局としては当然の対応であり、適法且つ妥当である。GP側は不当な逮捕であり、業務上横領罪を立証するために行った行為であるから罪にはならないと主張しているようだが、全くの詭弁である。
地球規模の環境保護が人類にとって大切な課題であることは多くの人間が理解している。
捕鯨についても日本だけが極端な異論を発し続け、行動しているわけではない。GPの主義・主張を展開する活動過程で、犯罪ではないかと思われる情報を得たのであれば、警察当局にそうした情報を迅速に提供して捜査結果を待てばよい。問題は、自らが正義の味方のヒーローかのように敢行した行為が違法行為であるにもかかわらず、さらにそれを堂々とメディアを通じて正当化したことである。日本の文化では、こうした行為は「恥」として扱われてきている。
メディアの一部には、「逮捕する必要はあったのか?」「証拠隠滅や逃走の虞はなかったのでは?」等と警察当局の捜査手法を疑問視する論調も見られるが、今回はどうやら分が悪いのではないか。GPの主張が通るほど世間は甘くないのである。小職は、今回の事件は組織的、計画的であると推理している。ひょっとすると外国の団体と連携しているかも知れない。とても31歳と41歳の2人だけで敢行した行為とは思えないのである。情報収集・分析と並行して捜査を進めることを得意とする公安警察の徹底した捜査に期待したい。
GPは必殺仕置き人にでもなったつもりだろうが、それはバーチャルの世界だけにしてもらいたいものだ。日本は世界に誇れる法治国家であることをお忘れか。
乗り越えてほしい壁 
2008.06.08 Sun 12:44
平成20年6月8日
〜日本警察の前にある壁〜
6月7日付「産経新聞」に『「8時間の決着」是非』のタイトルで、同月3日に埼玉県川越市で発生した立てこもり事件に関する評価が掲載された。この種の事件で必ず問われる内容だ。解決までの8時間は長すぎるのか、それとも適正なのかということである。
小職は警察のOBとして、且つ、危機管理コンサルタントとして、この種事件での警察の対応を色々な角度から分析する。それぞれの事件は状況が異なるので、前例と安易に比較することはできない。被疑者を可能な限り生存させた状態で検挙するという理想の形を追求するのが日本警察であり、他国の警察に比較すると、そのレベルはトップクラスであることは間違いない。
警察内部には被疑者を初期段階で狙撃して制圧するという意見がないわけではない。今回のケースでは、いつでも殺さずに狙撃して制圧することができた。当然、警察内部で徹底して議論されたはずだ。
小職が警部補だった昭和63年当時、米国研修でデトロイト市警SWATチームの講義を受ける機会があった。先方からも色々と質問を受けた。“どんなタイプの銃を使用しているのか、その理由は、予備の弾はどの程度か、その理由は、チームの数はどの程度か、その理由は”等々であった。当時は、警察官のけん銃に事故防止のため安全ゴムを装着していた時代である。自動小銃、ショットガン、狙撃ライフル等の武器で凶悪な武装被疑者を銃撃によって制圧・検挙することなどあくまで机上での話であった(SATは存在してはいたが)。だから真剣にそうした質問をしてくるデトロイトSWAT隊員に適切に答えようがなかったことを今でも覚えている。
「戦ったことがない軍隊ほど弱いものはない」という言葉があるが、これはそのまま警察にもあてはまる。これまで日本ではこの種事件の発生が少なかった。経験が極めて乏しいのだ。発砲命令には重い責任が伴う。合法且つ妥当でなければならない。小職はそうした壁を誰かが叡智と勇気を出して即断し乗り越えなければ、今後多発が予想されるこの種事件を迅速に解決することはできないと確信している。決して被疑者の人命を軽視するつもりはない。
しかし、市民の生命、身体を第一に守るのであれば、けん銃を乱射する被疑者と対峙した場合、人質が存在しないのであれば、直ちに体制を整えて狙撃し(射殺する必要はないしそうした技術も有しているはず)、制圧・検挙するべきだと考えている。極端な例かも知れないが、被疑者側がプロの場合、これまでの事例だけをベースに対応すると、警察側に多数の殉職者が出ることは間違いない。壁を突き破り新たなステップを踏み出すには勇気がいるし、保身が脳裏をかすめるのも理解できる。官僚の多くは、そんな経験はしたくないだろうが、誰かがその壁に立ち向かい、乗り越えなければならない。

エスカレーターの片側歩行 
2008.05.30 Fri 13:47
平成20年5月30日
〜奇妙な慣行は危険だった〜
評論家の呉智英氏が、本年5月9日に名古屋の地下鉄駅で発生したエスカレーターの逆行事故について、エスカレーターの片側歩行は危険だと指摘されていた。小職は以前、片側歩行の振動でエスカレーターが急停止するということを聞いたことがあるが、それほどのこともあるまいと、実は本日朝まで片側歩行を続けていた。
しかし、今回の事故と呉氏の指摘を真摯に受け止め、本日からエスカレーター利用時の片側歩行を止めた。
危機管理の観点から、エスカレーター製造会社は、片側歩行をしても急停止したり、逆行しないようなエスカレーターを開発してほしいし(そんなに急ぐ必要などないと呉氏からお叱りを受けそうだが)、他方、警察、消防等の当局は、積極的に広報してはどうか。片側歩行禁止の表示も全国で増やして啓蒙すべきだ。
同様の事故発生の確率が低そうなので、そのうち忘れられてしまい、忘れたころに呉氏が指摘されるように、朝夕ラッシュ時の長いエスカレーターで大惨事が起きてから騒いでも遅い。今や、エスカレーターはバリアフリーということもあり、いたる所に増設されつつある。定期的なメンテナンスもその現場を見ていると大変なようだ。小職はこの際、衰えつつある体力増強のために、可能な限り階段を利用しようかとも考えている。
現場急行のパトカーを取締る? 
2008.05.25 Sun 18:06
平成20年5月25日
〜広域化、スピード化する犯罪の捜査のために〜
警察のパトカー、捜査車両等は、事件・事故が発生すると緊急自動車として現場へ急行する。そうした車両がスピード違反で警察の取締りを受けているケースがあると報じられた。現行法では緊急自動車の最高速度が、一般道路は時速80km、高速道路は時速100kmと定められているからだが、その対策に警察内部でも足並みがそろわないという。「安全第一」を重視すべきとの慎重派、「迅速な犯人逮捕」を重視すべきとの積極派とに分かれているのだろう。今後警察内部で議論することは大切なことだが、警察OBとしての私見は次のとおり。
なぜ、今になってこのようなことが問題になってきたのかということである。道路交通法施行令が施行された昭和35年からこうしたことが(交通違反の切符が公務中の警察官に交付されるような事案)あったのか、それとも最近目立つようになったのかという点である。少なくとも小職が現職の当時(1980年〜1999年)にはあまり見られなかった。
最近目立つようになったというなら、その要因がどこにあるのか真剣に考えなければならない。都道府県警察の縄張り根性だけなら昔からあることである。例えば神奈川県警が警視庁をライバル視しているというような話は、小職が現職の頃から良く耳にした。そうではなく、各都道府県の警察官個々が、役人的発想、セクト主義等で大局を見ようともせず、公務中の警察車両を取り締るようになっているのであれば大問題である。
犯罪の広域化、スピード化が叫ばれて久しい。日本版FBI構想も大きな事件がある度に取り上げられている。警察OBの会合でしばしば話題になるのが「警察官のサラリーマン化」だ。今回のような報道が、そうした部分から噴出してきていないものと信じたい。
イエメンでの日本人誘拐 
2008.05.13 Tue 16:21
平成20年5月13日
〜イエメンでの日本人誘拐〜
ゴールデン・ウィーク(GW)もあっという間に終わり、通常業務が始まった。小職は海外出張だったが、この期間、特別な日本人旅行者の事件・事故はなかったなと思っていたら、この事件が報じられた。被害者らはすぐに解放され、結果はまずまずだったが、外務省の記者会見では、同省が提供している渡航情報を守ってほしいとそれとなく日本人旅行者に苦言が呈された。事件の被害者には酷だという人がいるかも知れないが、これは当然だろう。
9.11米同時多発テロ以降のイスラム過激派による世界各地のテロ情勢は、依然として終息する気配がないし、メディアでも日々報じられている。一定の関心があれば、少なからずの関連情報が得られるはずだ。ましてや、訪問する国がイエメンである。オサマ・ビィンラディンの父祖の地だ。最近の同国のテロ情勢も何やらきな臭い。総合的に見れば、何の心配もなく観光旅行をする国ではない。日本人は、海外旅行に伴うこうした事前情報の入手・分析が不得手だ。外務省、国土交通省等の官をはじめ、大手旅行会社も、それぞれの立場、思惑があって、この種情報を中々周知徹底させない。
小職のところにも企業からこの種情報の問い合わせがあるが、忌憚ない意見を述べるように心掛けている。今回の事件のようなことを事前に防止したいからだ。日本人旅行者の方々は、今回のような事例を十分念頭に、海外へ出かけていただきたい。

喫煙マナー 
2008.04.24 Thu 17:56
平成20年4月24日
〜歩きタバコ〜
愛煙家の居場所が日に日に狭まっている。小職も愛煙家のひとりだが、マナーには気配りしながら嗜んでいる。飛行機はもちろん、新幹線、タクシー、飲食店等々、次々に喫煙場所は煙のように消えていく。それでも愛煙家は、限られた場所で嗜好品を楽しみたい。
最近、愛煙家のマナーが悪いと感じる場面に良く出くわす。歩きタバコだ。あまり年齢には関係ないようだ。条例も整備されつつあるが、徹底されるまでには至らない。
愛煙家のひとりとして、歩きタバコはいただけない。是非止めてほしい。みっともなく、迷惑で、ポイ捨てに繋がっている。愛煙家の小職でさえ、歩きタバコの人の後ろや横に居たくないと感じる。まして吸わない人ならなおさらだ。居場所は限りなく小さくなっても、愛煙家はマナーを守ってタバコを嗜もうではありませんか。

歴史 
2008.04.23 Wed 17:36
平成20年4月23日
〜歴史〜
学校教育で日本史が見直されるそうだ。大いに歓迎したい。自分たちの国の歴史を知ることは大切なことである。小職が日本の歴史に興味を持ち始めたのは中学校に入ってからで、最初は単に受験勉強上必要であるからという程度であった。従って、未だ勉強不足が祟っている。特に近代史は、高校当時も授業時間が足りなく(或いは試験にあまり出題されないためか)明治時代辺りで終わった記憶がある。
社会人になって海外勤務を繰り返すうちに日本を外から見る機会が増えた。日本に興味のある海外の人たちから日本の歴史について質問を受けることも多くなった。中には鋭い質問もある。時としてディベイトすることもあった。しかも、基本は英語での説明だから難しさは増す。それでも、相手は一生懸命聞こうとするし、その熱意が伝わるので、こちらとしても力が入る。日本についての関心が高いことを各地で知った。
ゴールデンウィークが近づき多くの日本人が海外へ飛ぶ。自分の国の歴史を海外で説明できる日本人がどれほどいるのだろう。学校教育で見直されるのだからきっと増えていくに違いない。そうでないと、この国は溶けてしまいそうだから。
聖火リレー 
2008.04.11 Fri 21:26
 北京聖火リレーが大混乱している。ロンドン、パリ、サンフランシスコで猛烈なブーイングだ。北京五輪組織委員会は、聖火リレーを「調和の旅」と銘打っているそうだ。何と何が調和するのか、分かりやすい説明を聞きたいものだ。
 4月26日にはいよいよ聖火が日本に入る。日本はどのようなメッセージを世界に発信するのだろうか。北京五輪組織委員会からは警備隊員の受け入れ要請があったとか。警備の中核を成す日本警察がどのような応対をするのか、警察OBとして興味がある。英、仏、米が警備隊員を受け入れたのだから、横並びを重視する日本でその結果は見えているが。
 日本では粛々と聖火リレーが行われるのだろうが、それは日本がチベットへの弾圧を暗に認めたということで理解されるということを覚悟しておかなければならない。世界ではそれが常識だ。しかも、各国の人たちはそれを忘れず語り継ぐ。聖火リレーを違法行為で妨害せよと言うのではない。殺害されたチベットの方々のためにも、せめて言うべきことを堂々と主張しようではないか。なぜなら、日本は中国と違い言論の自由が保障されている国なのだから。

新入社員たち 
2008.04.04 Fri 18:21
 桜の季節、別れと出会いのシーズンでもある。道路や電車内で新入社員と思われる若者が目立つ。何故、新入社員が分るかというと、男性は「スーツが馴染んでいない」「スーツに着られている」からで、女性は「ほぼ全員同じタイプの黒色スーツ」だからである。
 自由で個性豊か、自己主張が強い若者のはずだが、あれも一種のファッションなのだろう。自分だけ別のタイプを選択することはしないようだ。まずは横並びで無難にということなのだろう。今後、社会人として夢と希望を抱いて、それぞれの分野で困難を克服しながら活躍してもらいたいと願うばかりだ。

 ところで、新入社員にお願いがあるのだが、夕方仕事や新人研修が終わって歩道いっぱいに広がって話すのは通行の邪魔になるので止めてほしい(大抵はどこで飲食しようかという相談なのだが、これが中々決まらない)。もうひとつは、居酒屋などで周囲に迷惑となるほど大声で歓談するのも止めてほしい(たいてい酒に飲まれ泥酔する輩が現れている)。
 新社会人の気持は良く分かった上で敢えて言っている。最近では、酒の飲み方を教える上司や先輩はほとんどいないし、勤務時間以外は自由だと言う会社が殆どだ。しかし、ちょっとした気配り、目配りで解決できるマナーだ。新入社員たちだからこそこんなことから始めてもらいたい。些細なことと思うなかれ。社会のマナーや基本を身につけずして良い仕事などできようはずもないから。

身近に起きた振り込め詐欺 
2008.03.31 Mon 12:01
 小職はこんな詐欺にはひっかからないぞと思っている。ところが、当研究所の研究員宅に朝、犯人らから電話が入った。ご子息が痴漢をして捕まったというのだ。当社の研究員は全員が警察OBか自衛隊OBだ。電話に出た奥様は、先程出勤したばかりの息子がそんなことにと驚きの声を上げた。幸いにも、警察OBであるご主人が、奥さまの驚いた声に気がつき、内容を一旦確認して電話に出た。それでも犯人らは、示談がどうの、弁護士がどうのと話し続ける。振り込め詐欺であると瞬時に判断したご主人は、落ち着いて警察用語で問い質した。「どのPS扱いか、警電は何番か」などと。犯人らもちゃんと勉強しておければ良いのに、質問の意味が分らないから即座に答えられない。
 ここで一喝、「子供は現職の警察官だ、自分もOBである、舐めるなよ」。犯人らは慌てて電話を切った。小職にこの話があった時、逆に犯人らをもっとからかって、検挙すれば良かったのにと研究員全員で笑った。身近に起きるとは思わなかった。何故って、警察官や検察官ぐらいは下調べしてやっていると分析していたからだ。所詮大したことのない連中である。読者の皆様、こんな電話がかかってきたら、慌てることなく、確認して折り返し電話しますと言って電話番号を聞きましょう。ひょっとすると身近に起こるかも知れませんから。

チベット頑張れ、頑張れ 
2008.03.20 Thu 13:01
 チベット自治区ラサで発生した僧侶らによる大規模騒乱が中国の武力によって封じ込められようとしている。中国当局は、外国メディアによる現地からの報道を禁じているという。こんなことがいまどき罷り通るとはと多くの日本人は思うだろうが、共産党の一党独裁国家にとっては至極当たり前のことだ。
 米英をはじめ各国の反応は様々だが、EUの一部の国や北京五輪出場予定選手の一部からは北京五輪ボイコットの声も上がり始めた。小職も本音では、ボイコットの方向になれば良いがと願っているが(日々努力している選手の方々には申し訳ないのだが)、さすがにそうはなりそうもない。大国になりつつある中国にどの国も中々毅然とものが言えない事情があるようだ。中国の市場で儲かっている国が多いのである。しかし、日本企業の経営者の中にも偉い人がいて、種々の理由から中国には進出しないという人がいる。そうした人たちは、儲かればよいということではないと断言する。頭が下がる思いだ。
 ダライ・ラマ14世は、これから始まる中国当局の過酷な弾圧の内容を知っているから、敢えて非暴力に徹せよとのメッセージを送り、北京五輪を開催する資格が中国にはあるとまで言った。多くの同胞が殺害されているなか、中々言えないことである。こんな時期に日本は中国トップの来日を予定通り行おうとしている。まったくのお人好しである。来日した胡錦濤に江沢民が天皇陛下主催の晩餐会でしたことと同じことを最低限でもしてやるのだろうか。チベットの方々よ、今の日本は何もしてやれそうにないが、中国に決して屈服せず頑張れ、頑張れ。そのうち、日本も目覚めて助けに行きますから。


親切なお客様サービス(CS) 
2008.03.07 Fri 18:49
 私事で恐縮だが、警察勤務当時から頭髪は短髪であるため、2週間に1度は床屋へ行く。
 最近は、短時間、低価格で散髪する床屋が新しいビジネスということで首都圏では人気のようだ。短時間で便利なので、小職も数年前から利用している。ただ、短時間、低価格だから仕上がりの質となると完璧とはいかない場合もあろう。小職としては質まで求めていないから、多少虎刈りであっても気にしない。
 ところが、先般いつも通う店に行き散髪したところ、さすがに小職も驚く虎刈りとなった。気にしないとはいうものの、眼鏡をかけて鏡を見るとさすがに凄まじい。家族、同僚等があまりに笑うので、翌日、同じ会社の別の店に行き、手直しをしてもらうことにした。
 いつものとおりチケットを購入し、順番が来たので手直ししてほしいと話した。すると、店長と思われる女性がどこの店かと尋ねるので、説明したところ「それは大変申し訳ない」と丁寧に謝罪する。小職としてはその丁寧な応対にやや驚き「別に気にしていませんよ」と笑顔で答えた。店長は短時間で十分な手直しをしてくれた。散髪が終わって帰ろうとすると、その店長は「お代は頂戴できません」と言って、既に支払った料金を返金しようとする。小職は「いいんですよ」と辞退したが、店長は「とんでもない。今後もよろしくお願いします」と言う。小職はお礼を言って店長が差し出したお金をいただいた。昨今、企業ではCSが叫ばれているが、最近気持ちの良いCSに接する機会はめっきり少なくなった。マニュアルどおりのロボットのような応対が多い。明るい挨拶、正しい言葉づかいや姿勢等は実に気持ちが良い。店を出て「今後もこの会社の店を利用しよう」と思った。CSの基本は、この店長のようなことなのではないかと感じたからである。

中国らしい対応 
2008.02.29 Fri 18:06
 2月23日のブログに中国産ギョーザに関する内容を書いた。事件発生後に中国側が何とか早期に幕引きしたいがため、証拠不十分であっても犯人を特定した(逃亡中である)程度のアクションを起こすのではないかと予想した。日本政府も中国側の早期対応に謝辞を述べ、後は何となく丸く収めるのではないかと。
 ところが中国側は、あろうことか日本側での毒物混入の可能性が極めて高いとの見解を示した。日本も相当舐められたものである。日本の警察庁次長をはじめとする一行が訪中した直後の公式見解である。北京五輪、万博を控えているとはいえ、今回の事件に関しては、いわゆるこれまで中国が一貫して執ってきた「やり方」に出るとは少々意外だ。
 国際捜査、捜査共助の限界を読み切っての一手だろう。こうなると、領土問題や歴史問題と同じだ。日本警察がどれだけ物的証拠を提示しても、中国は認めない。中国本来の「やり方」なのである。逆に日本警察の力の見せどころでもあるが、問題はどんなに日本側が証拠を積み重ねても、「そうですか」とは決して言わないのである。共産党一党独裁の国なのである。こんな時こそ、日本の野党は「全くもってけしからん」と言ってはどうか。
活字離れの社員たち 
2008.02.27 Wed 17:21
 最近、上場企業の中堅社員を対象とした危機管理研修会を実施した。研修の終わりに出席者に「自宅で新聞を購読しているかどうか」「年間何冊位本を読むか」という質問をした。
 出席者の平均年齢は35歳くらいか。それぞれ、部下を持ち、指導・監督する立場にある人たちだ。小職としては、半数の人は新聞を購読しているだろうと予測したが、約9割が「新聞は購読していない」「本は読まない」との結果であった。若者の活字離れ、日本語がおかしい等と言われているが、企業の中堅社員ということを考えると、ちょっと驚く結果だった。出席者の意見を聞くと「情報に関心がない」(特に政治や経済)という。身の回りのことだけにしか目がいかないようだ。活字に親しまないから、コミュニケーションをとることも不得手のようだ。自分の考えを纏めて相手に伝えることも同様だ。正しい日本語で話したり、文章にすることも苦手である。
 しかし、「学校で教わらなかったし、会社でも教わらなかったが、今回丁寧に教えてもらったので、これから勉強していきたい」という言葉が救いだった。参加者の殆どは、バブル期に入社している人たちだ。入社してから会社が社員のことを全く考慮せず、利益のみを追い続け、社員を育てようとしてこなかったツケなのかも知れない。今後、出席者の多くが、新聞や書に親しむことを望むばかりだ。
子供たちの教科書 
2008.02.22 Fri 15:21
 上海の日本人学校に送られた教科書のうち、地理の教科書に中国当局が難癖をつけ、日本人の子供たちの元へ届いていないという。21日の報道によれば、尖閣諸島が日本の領土となっているからけしからんとのことだ。前にもあったことだし、中国とはそういう国であると思っているから、別に驚かない。
 しかし、日本としての外交姿勢は毅然と示すべきだ。簡単なことである。「尖閣諸島は、わが国固有の領土である。教科書にそう記載するのは当然である。教科書が届かないことは誠に遺憾である。直ちに届けていただきたい」と現地総領事館の総領事は、上海当局の最高幹部を呼び付けて強く申し入れすればよい。その行動こそが外交である。
 ところが、報道によると、現地日本国総領事館は「交渉を続ける」とのこと。交渉などする必要は全くないのである。日本の基本的姿勢をただ明確に示せばよいのだ。他方、外交パウチで同じ教科書を速やかに日本人学校へ再送してやればよい。まさか、地理の授業が教科書が届かないために、未だ行われていないなどということはないと信じたい。
報告・連絡の適正 
2008.02.21 Thu 13:24
 小職が警察学校に入校した際に「報告・連絡の適正」について厳しく教育を受けたことを覚えている。報告・連絡が警察業務遂行について極めて重要であるからだ。それを身をもって感じたのは警察学校を卒業し、一線の警察署勤務を開始してからである。特に警部補昇任以降は、部下から報告を受けると同時に、一定の判断をして、上司に報告するという業務が増えた。心がけたのは「報告を躊躇しない」「迷ったら速報」「断片でも速報」である。
 都内で極左過激派によるテロ・ゲリラ事件が多発していた時期、宿直責任者として当直に就いている時にゲリラ事件が発生した。深夜の1時頃だったと思う。直ちに指定された幹部へ電話速報する。しかし、中々電話が繋がらなかったり、明確な指示が得られない。そこで、小職はいきなりトップへ報告した。すると、トップはマニュアル通りにすぐにパトカーを派遣するよう指示され、発生現場へ急行された。この後、指定された幹部に電話報告を続けたが、小職は「トップへ報告したこと」「現場に急行されていること」を付言した。小職の予想どおり全ての幹部が現場へ急行した。結果としては、迅速な立ち上がりとなり、初動捜査としては成功した。
 同日朝の宿直報告の際、指定された幹部の一人から「報告の順番が違うではないか」と叱責された。もう一人の上司が「知っててやったな」と苦笑した。イージス艦と漁船の衝突事故に関し、事実関係すら未だ不明確のようだ。行方不明のご家族や同僚の方々からは厳しい意見が相次いでいる。海自では報告・連絡の重要性について当然教育している。でも上手にできないのは、実戦経験がないからである。プレス対応も同様である。この点は日々実戦で揉まれている警察に一日の長がある。
飲酒事故防止の三原則 
2008.02.19 Tue 14:08
 小職は警察のOBなので、かつての上司、同僚、部下等とは定期的に会って旧交を温めている。小職にとっては情報交換の場でもある。最近会ったかつての同僚が「3時間以上飲酒しない」「二次会には参加しない」「はしご酒をしない」という「3原則」があるのを知っているかと言う。初めて聞いた小職が警察官の飲酒に起因する事故防止のための防止策か何かだろうと言うと、同僚はその通りだが、かつてとは様子がやや違うと言う。
 すなわち、飲酒事故が発生した場合、この3原則にひとつでも事実が抵触した場合は、まったなしの懲戒処分対象なのだそうだ。警察官による事件・事故が報じられる度に、OBとしては残念で再発防止を願うのだが、この「3原則に抵触した場合はまったなし」という部分にOBとしてはやや違和感を感じた。
 懲戒処分にも免職、減給など色々あるが、当事者の警察官にとっては、重い罪を犯してしまったと感じる人が多いはずだ。だから自ら辞職する者も出てくる。昔は直属の幹部が事故を起こした本人を叱咤すると同時に激励もした。上司が同様の処分も受けた。今でも幹部が自らそうしているのかどうか心配だ。同僚の「自分はそうした際に責任をとるための現在の地位だと思っている」との言葉で小職は安堵した。こうした幹部の下で仕事をする部下は恵まれている。飲酒事故防止策としての「3原則」は良しとして、幹部の一貫した姿勢は貫いてもらいたい。強固な組織作りの基本であろう。部下は幹部のそれを見て育つのだから。
何でもすぐアウトソーシング? 
2008.02.14 Thu 15:27
 企業は相互に協力して営利を追求する。当たり前のことである。企業が自前で出来ない部分を他社へ発注する、いわゆるアウトソーシングである。当然昔から日本でも行われてきたことである。小職は企業の危機管理コンサルタントをしている。これも企業のアウトソーシングである。
 最近、企業の危機管理コンサルティングをしていて感じることがある。会社の人事、総務と言えば会社の「核」であろう。その部長、課長と言えば社内でも優秀な人材を配置している(最近ではそうでもないのか)。ところが、会社の「核」である業務の一部をアウトソーシングしようとする会社が増えつつある。一部とはいえ、「核」部分を他者の手に委ねるとはかなりリスキーである。小職が驚くのは、そうした部署の人が、業務が軽減されるならとすぐに賛成に回ることである。伝票一枚と雖も自己管理していくという気概が全くない。当然、会社の「核」であるという自覚もプロ意識もないのである。そんな会社が打ち出すコンプライアンス、CSなんてとても信用する気にはなれないのである。
食品テロだったら 
2008.02.13 Wed 19:26
 中国製ギョーザ事件については、新聞、テレビ等で色々な意見が出尽くしているので書くのは止めようと思っていたが、危機管理の観点から一言。前にも書いたが、他国で発生した事件捜査には限界があり、難しい。今後、中国当局が「犯人を逮捕した。動機はこうだった」と発表すれば、おそらく日本は「そうですか。早期の解決ありがとう」で終わるだろう。
 しかし、本件が実は日本をターゲットとした食品テロだったらどうだろう。日本の食糧自給率を把握した上で、今回は試験的に実施して日本の動揺状態を見ているとしたら、と考えると寒気がするが、危機管理の発想はそうした所から考えていくものである。9.11米同時多発テロが発生した直後、米国は映画、SF等の関係者からも丁寧に話を聞いたという。すなわち、凡人には考えもつかないような話があり、それはひょっとするとテロという形で実現するかもしれないと考えたのだ。今回の事件については小職もテロの可能性は低いと判断するが、政府、行政はそうした発想を抱いて今後の諸対策に取り組んでいただきたい。
政府や企業に期待するより、みんなで自助努力 
2008.02.10 Sun 14:04
 日本人は「安心・安全」という概念をどのように捉えているのだろう。それが他から常に提供されるものだと思っているのだろうか。世界で最も治安が良いこの国の状況を今後も維持したいのであれば、ひとりひとりが努力しなければならないことを肝に銘ずる必要がある。その覚悟と自覚が持てず、他から提供されると考えているのであれば、将来の日本の治安は年々悪化の一途を辿るだろう。ところで、昨今の政府や企業の動きを見ていると、ここはわれわれ国民がまずは自助努力しないといけないのかなと感じてしまう。何故なら、とても一定レベル以上の行政サービス提供が受けられそうにもないからである。
人は石垣、人は城、本当に分かっているの 
2008.02.09 Sat 14:02
 これまで社員を大切にしてこなかった大企業が、ここへきて反省し、社員は会社の大切な宝だと言い始めた。大変良いことだと思う。社員を大切に育成している企業こそが、コンプライアンス、CS、危機管理(RM)等も適切に行い得るのである。社員を育成するには、大変な時間、お金がかかるが、これは立派な投資である。これまで目先の利益しか考えずにビジネスを展開してきた企業は、早くこのことに気がつかなければならない。
もはや日本人は怠け者? 
2008.01.30 Wed 17:49
 1月28日付の産経新聞に掲載された曽野綾子さんの「透明な歳月の光」(273)が目にとまった。曽野さんの本質を突いた意見には、いつも感服させられてしまう。曽野さん曰く、日本の経済がもはや一流ではなくなった原因のひとつは、日本人が近年怠け者になったことだと。週休2日が定着し、祝日も合わせると、日本人は3日毎に休んでおり、個人商店が同様に休めば、とても立ち行かない。日本の職人芸が消えつつあるのもこれが原因ではないかと。小職が就職した時代は、土曜日は半日勤務、いわゆる「半ドン」であった。当時、土曜日に仕事を終え、午後3時頃霞が関の警視庁本部を出ると、明日は日曜日で休みだし、土曜日のこの時間をどのように過ごそうかとわくわくした気持ちであったことを覚えている。土曜日に働くことは当たり前だと思っていたし、何の苦痛でもなかった。
 それが、週休2日になり、今ではすっかり定着した。警察官を退職し、会社員になって勤務した企業でも週休2日は既に定着していた。しかし、仕事の都合で土日に出勤することは頻繁にあった。嫌だなと感じたことはない。どうやら、そうした精神が植えつけられていたからだと思っている。曽野さんは、日本人の精神を体質的に改革するという側面が、日本の立て直しには不可欠ではないかと結ばれているが、小職も同感である。近年、休みに上司が出勤を命じると「それはパワハラだ、休日は労働者の正当な権利だ」などと主張することが当たり前のようになっている。しかし、会社という組織の中に身を置くのであれば、職責の自覚をして、責任と義務は果たさなければならないはずだ。小職は、そうした精神を体質として維持することができる日本人を少しでも育てたいと考えている。
[PR] 英会話 生命保険 アルバイト FC2ブログ
Copyright (C) 2008 GISI. All rights reserved.